私たちが住んでいる札幌市。実は札幌では、無料の法律相談が受けられるって知っていましたか?
通常、弁護士に法律相談を依頼すると、30分5,000円(税別)くらいの料金相場を支払います。
それが、札幌市(+小樽市、滝川市、岩見沢市、室蘭市、苫小牧市、岩内町、新ひだか町など)にある法律相談センターへ行くと、無料で30〜45分の法律相談が受けられるのです。
なぜ、札幌弁護士会は、このような取り組みをされているのでしょうか?
お話をうかがうと、「弁護士に早く相談してもらうことで、防げる法律トラブルがある。だから、弁護士へ相談することのハードルを下げたい」とのこと。
たとえば、「相続はプラスの財産だけでなく、借金も対象になります。相続放棄をするために早めに弁護士に相談してほしいんです」と恐ろしい例を挙げられるではないですか。
え?弁護士の先生、それってどういうことなんですか!?
今回は札幌弁護士会法律相談センター運営委員会のお二人の弁護士にインタビューをさせていただきました。
では、行ってみましょう。
インタビューさせていただいた弁護士先生

林賢一弁護士 札幌弁護士会法律相談センター運営委員会 委員長



福田光宏弁護士 札幌弁護士会法律相談センター運営委員会 副委員長
※林賢一弁護士は、フリー素材のイメージ画像を利用させていただきました。
弁護士会と法テラスの違い





本日はお時間ありがとうございます。札幌弁護士会には、無料法律相談があると知りました。
今回は市民の方に誕生した経緯や使い方の流れ、法律相談を早くするとトラブルが小さいまま解決しやすいというお話を弁護士の先生にお聞きしたいと思います。
林弁護士、福田弁護士、よろしくお願いします。



最初に「札幌弁護士会 法律相談センターの無料法律相談」とはどのようなものか、教えていただけますか?



札幌弁護士会というのは、北海道の中でも札幌地域を管轄する弁護士の自治組織です。北海道には札幌、函館、旭川、釧路の4つの弁護士会があり、それぞれが地域ごとに活動しています。



札幌弁護士会の管轄は、たとえば南は浦河町あたり、そして西は室蘭市くらいまでを含みますね。



弁護士会が、市民の方々に向けた法律相談を受け付けていて、「どこに相談すればいいかわからない」という方にもアクセスしやすい窓口になっています。
弁護士に相談するのはハードルが高いと感じる方でも、「まず弁護士会が行っている相談ならアクセスしやすいのではないか?」というところです。



なるほど!
では、「法テラス」とはどう違うのでしょうか?



そもそも運営主体が違うんですね。
法テラスは国、つまり法務省が所管する公的な組織で、全国に相談窓口を持っています。
一方で、弁護士会は、各地域の弁護士が集まって自主的に運営している自治組織です。



相談者の方の目線での大きな違いは、相談を受ける場所でしょうか。
市民の方が法テラスに相談を申し込むと、基本的に法テラスと契約している弁護士の事務所で相談をします。
札幌弁護士会の無料法律相談は、札幌の中心部だと札幌弁護士会の建物の2階にある相談センターに来ていただいて、そこにいる担当の弁護士が対応するというシステムです。
※札幌市内は、新札幌などにもあり。



なるほど。窓口としての違いや仕組みの違いがあるですね。
どちらも「弁護士が相談に対応する」という点では同じなんですか。
札幌弁護士会で無料の法律相談ができる理由





札幌弁護士会の法律相談は「無料」とのことですが、これは珍しいのではないでしょうか?



そうですね。全国的に見ても、他の弁護士会においても相談内容や相談場所(地域)、時期によって無料で相談できる場合があると思います。
ただ、あらゆる種類の法律相談が無料なのは、札幌弁護士会の法律相談センターだけなんですよ。
以前は札幌も1回5,000円の有料相談だったんですが、平成25年10月から全面的に無料となりました。



無料化したのは、どのような背景があったのでしょうか?



おそらく、「無料にすることで市民のアクセスがしやすくなる」という考えがあったのだと思います。
有料であることによって法律相談をためらわれる方もいらっしゃると思いますので。



実際、無料にしてから相談件数が増えた印象がありますね。特に「ちょっと聞いてみたい」という方が来やすくなったように感じます。



たしかに!無料だと心理的なハードルが下がりますね。
弁護士に早めに法律相談すると借金などが防げる?



よく「弁護士に相談するなら早めに相談した方がいい」と言われますが、それはどうしてですか?



それは「早めに相談してもらったほうが、助言できる選択肢が多くなるから」です。
わかりやすい例をひとつ挙げると、借金の相談ですね。
たとえば、消費者金融などから請求が来た場合、5年以上返済していなければ「消滅時効」の主張をすることで、返済しなくてよくなるケースがあります。



えっ!?借りたお金なのに、5年間返済していなかったら、返さなくてもいいんですか?



はい。法律上は「消滅時効」という制度があって、最後に返済した時から5年以上経つなどしていれば返さなくて良くなるというケースがあります。
つまり、「これは時効なので支払いません」とこちらから言えば、それで終わる可能性もあるんですよ。
でも、請求が来たからといって少しでも返してしまったり、返さなくても電話などで借金を認めるような言動をしてしまうと、時効がリセットされてしまうんです。



借金を少しでも返すと、時効が使えなくなるんですか?



はい、そこが怖いところで、たった一度でも、1円でも返済してしまったり、借金があることを認めてしまうと、「時効の援用」ができなくなってしまうんです。
だから、もし最初に消費者金融などの債権者から請求が来た段階で、自分では対応せずに弁護士に相談してもらえれば、
「これは時効なので返さなくていいですよ」という助言ができます。
弁護士から債権者に通知を送れば、支払いが免除になる対応ができるんです。



でも、ちょっとでも返してしまったり、電話をして借金があることを認めてしまったために、「時効の援用」ができなくなるというケースが結構あります。



時効が延びたらどうなるんですか?



大まかに言えばですけど、「返すか、破産するか」って話になってしまうんですよね。もちろん、そのままにしておく人も中にはいます。
けれど、法律的にきちんと処理するなら、本当は時効で片付けられたはずの借金が、返さなきゃいけない借金になってしまいます。



恐ろしい…。早めに弁護士に相談するって、本当に大事なんですね。



本当にそうです。「あと1週間早く相談に来てくれれば、その借金を時効の手続きで処理できて、何十万円を返さなくて済んだのに…」というケースは、実際にあります。



似たようなケースだと、相続放棄の相談もありますね。法律的には、親が亡くなった時点で相続が発生したという扱いになります。
プラスの財産、たとえば預貯金や不動産だけでなく、マイナスの財産、つまり借金もそのままだと自動的に相続することになります。



ええ!?遺産って借金まで引き継ぐんですか?



そうなんです。
相続が始まってから3ヶ月以内に「相続放棄」という手続きを家庭裁判所で行うと、プラスの財産を受け取れません。
ただ、借金などの負債も引き継がずに済むんです。



でも、3ヶ月間はうっかり過ぎてしまいそうな期間ですね…。



実際に、「気づいたら3ヶ月間が過ぎてました」という方が結構いらっしゃいます。
そうなると、原則として相続放棄はできなくなってしまうので、子どもが代わりに借金を支払う可能性が出てくるんです。



早めに相談するのに越したことはないですね。
ちなみに、こういう事例は多いものなのでしょうか。



いま出た「借金」や「相続」の事例は毎日相談があるわけではありません。
でも、相談を受けていると日常的にあるケースですね。我々にとっては、ちっとも珍しくはないという感覚です。



そうなんですね!



そういう意味でも、「これって法律のことかも?」と思った段階で相談してもらうのが、一番なんですよ。
世の中のことは法律に絡んでることが結構あるので。



早く相談に来てもらえれば、こちらも選択肢を多く提示できますし、相談者の方も冷静に判断ができます。
逆に、手遅れになってからだと打つ手が限られてしまいます。



なるほど……。確かに、ちょっと気になった段階で相談していれば、大きなトラブルに発展しなかったというケースも多そうですね。



そうなんです。「あと1週間早ければ…」と思うことは、本当に多いですよ。
そういう意味では、札幌弁護士会の法律相談は無料なので、お気軽にご相談に来てほしいです。



ありがとうございます!それは本当に心強いです!
札幌弁護士会での相談の流れ
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では、実際に札幌弁護士会の法律相談センターで、無料法律相談をする時の流れを教えてください。



基本的には電話か、インターネットから予約をしていただく形です。相談の種類がいくつかあるので、受付時に簡単に内容を伺います。その上で、毎日設定されている相談枠の上限を見ながら、ご希望の日時を伺って空いている枠に予約を入れる形になっていますね。
直接来られても対応ができないので、必ず電話、もしくはインターネットで予約をお願いしています。
▼札幌弁護士会 法律相談センターの予約ページはこちらです。
弁護士に法律相談をすると、どんな回答があるの?





法律相談の中身はどのようなものなのでしょうか?
たとえば、離婚相談などに関して、弁護士先生にどのようなご相談をできるのか、教えていただきたいです。



一般的に相談と言われると、友達にするイメージを私は思い浮かべてしまいます。
たとえば、「いったん旦那さんと距離を置いて、実家で考えてみたら?」などです。



弁護士の先生に相談すると、どのようなアドバイスをもらえるのでしょうか。



はい。友達への相談は、そのようなイメージを思い浮かべるかもしれません。
我々、弁護士に相談すると、やはり法的な手続きの相談がメインになります。



相談される方が何に困っているのか、何が知りたいのか。法律的な観点からアドバイスするのが、私たち弁護士の「相談」ですね。



林先生の言う通りです。
たとえば、離婚の相談といっても、「これからどう進めたらいいですか?」というスタート段階のものから、「調停や裁判の途中でどうすればいいか?」という相談まで、本当に内容は様々です。



たとえば、離婚で例を出すなら、このような形です。
当事者同士(夫婦)で話し合うことができそうな状況であれば、まずは「当事者(夫婦)で話し合いをすること」を勧めることもあります。
当事者同士(夫婦)で話し合うことが難しい状況であれば、「弁護士に依頼することや、家庭裁判所の調停を利用するというアドバイス」をすることもあります。
また、お子さんの親権や、養育費の問題など、相談者の方が抱えている問題に合わせることも大事です。「こういう手続きが必要で、こんなことが必要になりますよ」と助言をしますね。
我々はそれぞれの状況に応じて、法的に考えられる手続きをアドバイスします。



私たちとしても、当事者同士(夫婦)で冷静に話し合える状況であれば、当事者同士で話し合って決めていただくのが良いと考えています。
ただ、当事者間の話し合いが難しい場合には、弁護士に依頼して間に入ってもらう方法や、調停という手続きを利用して家庭裁判所に入ってもらい、話し合いを進めることも可能です。
それでも合意が難しい場合は、最終的には裁判という選択肢もあります。そういった流れを、一般的な対応としてアドバイスすることが多いですね。



そうなんですか!弁護士というと、なんでも裁判するイメージがあったんですけど、意外と違うんですね。



お互いが話し合いできて、納得した形で離婚できるなら、弁護士に依頼するメリットはあまりないかもしれません。
当事者同士(夫婦)での話し合いが可能な状況であるにもかかわらず、弁護士を間に挟んだことで、相手(配偶者)が警戒してしまい、逆にこじれてしまう可能性もありますので。
だから、相談だけで終わるケースも多くあります。



なるほど!弁護士の先生に相談したら、そのまま依頼する流れになるのかと思っていました。



そうとは限らないです。繰り返しになりますが、相手方からすると「弁護士がついた」とわかっただけで、ちょっと構えたり、警戒したりすることもありますしね。



たしかに、「弁護士がついた」と言われると、緊張しちゃいますね。
法律相談で何とかなるから、そちらのほうがいいとは意外でした。
札幌弁護士会の法律相談後に依頼するならどのような流れになる?





相談が終わったあとは、どういう流れになるんですか?



そうですね。多くの場合は先ほども言った通り、「アドバイスのみ」で終わることが多いです。
「こういう選択肢がありますよ」「こうした方がいいですよ」といった説明をして、その時点では相談のみで終了というケースも多いですね。



札幌弁護士会の無料法律相談では、同じ内容の相談であれば、最大3回まで弁護士に無料で相談できます。
2回目、3回目はそれぞれ違う弁護士が担当になる可能性が高いのですが、同じ内容で再度来ていただくことも可能です。



なるほど!その場で「この先生に引き続き相談したい」となった場合は、どのような流れになりますか?



はい、その日の担当弁護士が引き続き「継続相談」を受けることもできます。その場合は「継続相談申込書」に記入して、センターの受付に提出してください。
後日、その弁護士の事務所で続きの相談をしていただけます。



その後の依頼に発展することもあるんですね。



はい。実際にご依頼をお受けする場合は、弁護士と依頼者の間で費用や方針を決めて契約することになります。
継続相談をしても依頼に至らず、継続相談だけで解決することもありますね。



なお、センターでの無料相談と違って、弁護士事務所での継続相談は有料になることもあります。そこは弁護士ごとに方針が違うので、無料で継続する先生もいれば、有料の先生もいます。



わかりました!ありがとうございます!
無料と有料の法律相談に差はある?



ちなみに、お聞きしにくいことなのですが、札幌弁護士会の無料法律相談と弁護士事務所での有料相談、また国の法テラスの弁護士への相談に差はあるのでしょうか?



相談が有料か無料かで、回答の内容が変わることはありませんので、安心して利用してください。
また、法テラスには資力要件があって、満たしている方は無料で法律相談を受けられます。弁護士会のセンター経由で継続相談した場合でも、その方が資力要件を満たしていれば、法テラスの無料相談制度を使えることもあるんですよ。
【※】資力要件 本人のお金にどのくらい余裕があるかを見て、それに応じて法テラスの無料相談や費用立替制度の支援を受けられるかどうかを決める基準



ただ、制度の存在を知らない方も多いので、センターでこちらから案内することもあります。



それはありがたいですね!資力要件は、どこで確認できるんですか?



法テラスのホームページに掲載されています。
たとえば、単身者であれば、手取り月収が18万2000円以内といった収入要件や、資産の合計額が180万円を超えないことといった資産要件などがあります。



実際、該当する方はけっこう多い印象ですね。



思った以上に手厚いんですね。それを知って安心できました。
札幌弁護士会の無料法律相談にできる相談内容と制限



弁護士会の相談センターで扱っている内容について伺いたいのですが、法律相談内容に制限はあるのでしょうか?



相談種別ごとに枠を設けています。たとえば離婚・相続・借金・労働問題などですね。
ただ「一般相談」という枠もあって、それに当てはめられれば幅広く対応できます。



つまり「これは離婚でも相続でもないけど、誰に聞いたらいいかわからない」という相談でも、まずは一般相談で対応可能ということです。



どこに法律問題が潜んでいるかわからないことも多いですからね。なので、「これは相談できない」という線引きは、原則としてあまりないと思っていただいて大丈夫です。



なるほど。逆に、法律相談を受け付けていないジャンルはありますか?



明確に受け付けていないのは、刑事事件に関する相談です。たとえば、「警察の捜査を受けていて、弁護人を探したい」という場合などですね。
刑事弁護は別の仕組みで対応されるので、センターでは基本的に扱っていません。



なるほど、刑事事件は対象外なんですか。



相談できるけれど、特殊なのは、「特定分野相談」ですね。実は、どの弁護士も、なんでも詳しいわけではないんですよ。
だから、医療や住宅など、専門性が高い分野には「特定分野相談」という仕組みがあります。



これは、専門性の高い分野について弁護士の相談を受けたいという申込みがあった場合に、過去にその分野を扱った経験があったり、その分野に関する研修を受けている弁護士を紹介する仕組みです。
札幌弁護士会の無料法律相談はどの分野にも対応していますが、専門性が高い分野を相談するときは、このような制度を利用することもできます。



すごい!本当に様々な法律相談に対応されているんですね。



もっとも、紹介された弁護士が、必ずしも相談者の相談したい内容と同じ事件を扱ったことがあるわけではありません。
紹介した弁護士に相談・依頼をするかは、相談者の方のご判断でお決めいただくことにはなるのですが。
札幌弁護士会は、民事の法律相談であれば、ほとんどの場合、何らかの形で対応できます。まずは「これは相談してもいい内容かな?」と迷うくらいの段階で、気軽にご相談いただければと思っています。



なるほど。どんな法律相談もできるのは心強いですね。
札幌弁護士会の無料の法律相談を受けた市民の反応・印象



札幌弁護士会の無料の法律相談を受けたあと、市民の方の反応はいかがですか?



内容にもよりますが、概ね時間内で回答すると、満足して帰っていただける方が多いかと思います。解決までいかなくても、法律相談して方向性が見えるだけで前に進めることがありますから。



もちろん、法律相談という仕事上、満足いかないこともあるかとは思います。
法律に従ったアドバイスになってしまう以上、ご自身の望む回答とは違う答えを返さなきゃいけないケースもあるんですよ。



たしかに!それは難しいところですね。



はい。まずは法律があっての話なので、全てのことについて、相談者の方の望む通りにはいかないかもしれません。



トラブルになっていると、相手には相手の主張があったりしますからね。



福田弁護士
100対0で相手が悪いということはほぼないですから。
それでも、基本的には弁護士が相談者の話を聞いて、できる限りのアドバイスをすると、満足される方は多いのではないかという印象はあります。



そうですね。我々が「選択肢を提示する」ことに、大きな意味があります。
「こういう道があるんですね」と知ることで、相談者の気持ちが落ち着くことも多いですから。



林先生がおっしゃってるように、何もわからない状態から、こういう選択肢があるんだと分かっただけで一歩前進だと思うんですよ。
あとは、法律の専門家に話を聞いてもらったこと自体で、精神的に楽になったという方もいらっしゃるようですね。



なるほど。「ここに来ればすべて解決」という印象を持たれると少し違いますが、少なくとも一歩前に進めるというのは大きいですね。
弁護士の印象や雰囲気はどんな感じ?



弁護士というと、少し近寄りがたいイメージを持っている方もいると思うのですが、実際のところ、どんな方が多いのでしょうか?



そうですね……。よく「威圧的」「偉そう」っていうイメージを持たれがちなんですけど、実際は本当に、弁護士は普通の人が多いですよ。
弁護士資格を持っているだけで、あとは皆さんと同じように休日は家でテレビ見たり、お酒飲んだりしてます(笑)



僕らも月1回の委員会のあとに飲み会とかしますし、日常は本当に一般的な自営業者と変わりません。聖人君子というわけでもないですし、癖が強すぎる人ばかりということもないですね。



ただ、人によって向き不向きの分野はありますね。得意な分野じゃないと、相談者の方が「頼りないな」と感じることもあるかもしれません。
だからこそ、わからないことがあれば「この分野に詳しい弁護士に相談し直した方がいいですよ」とお伝えするようにしています。



なるほど。ありがとうございます。
弁護士へのアクセスのハードルを下げる取り組み、行ってます



最後に市民側から見ると、「無料相談できるのはわかったけれど、まだ弁護士に気軽に相談してもいいかな?という心の壁がある」と思います。
お二人はどう思われますか?



我々もそれは自覚していて、司法では、「三つのハードルがある」と言われるんですよ。



まずは経済的なハードル。相談するだけでお金がかかるというのは大きいです。だからこそ、札幌弁護士会では5,000円だった相談料を無料にして、なるべく相談しやすくしています。
次に地理的なハードル。札幌市内の方はアクセスしやすいですが、それ以外の地域の方はなかなか足を運びにくいですよね。それ以外の小樽市、滝川市、岩見沢市、室蘭市、苫小牧市、岩内町、新ひだか町などにも相談センターを設置して、同じように無料相談を行っています。
そして最後に認知のハードル。そもそも「無料法律相談のサービスがある」と知られていないんですよね。だからこそ、私たちもこういった取材を受けて、発信していくことが大事だと考えています。



私たちも、司法のハードルを下げるために、いろいろと活動をしています。
たとえば最近は、プロバスケットボールチームの「レバンガ北海道」とコラボして広報活動をしました。
また、弁護士をテーマにしたゲームを作っています。ゲームは3月くらいにウェブ公開予定なんですよ。※
※インタビューは2025年3月25日に実施。その後にゲームが公開されました。
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▼「ゲームでトライ 法律相談 ~“出張”の真実~」を公開しました!(ゲームのリンクはこちらからどうぞ)



ゲームですか!面白い取り組みですね。



「弁護士に相談する」っていう体験をもっと身近に感じてもらいたくて、ノベルゲームを作ったんです。
ゲームの中で浮気を疑ったり、証拠を探したり、弁護士に相談して選択肢を選んでいく。そんなストーリーになってるんです。
スーパーファミコンの『かまいたちの夜』のような読み進めていくゲームになっています。



な、懐かしいです……。世代だったので、わかります。



他にも、商業施設での出張相談会や広報グッズの配布なども定期的に行っています。とにかく「身近に感じてもらうこと」が一番のポイントですね。



いいですね!これからの札幌弁護士会の活動が楽しみです。
札幌弁護士会の先生方から伝えたいこと



では、最後に、市民の方へメッセージをいただけますか?



何度も繰り返していますが、相談したい方はそんなに精神的なハードルを上げる必要がないので、お気軽にご相談ください。
本来であれば「こんなこと相談していいのかな?」と迷っている段階でこそ、相談してほしいと思っています。大きなトラブルになる前に相談すれば、選択肢は増えますから。
あと、電話相談「ハロー弁護士相談」もあります。15分くらいの簡単な相談ですが、最初のきっかけにはなると思います。



そうですね。札幌は全国でも珍しく、無料で相談できる相談会を弁護士会が行なっています。本当に「とりあえず弁護士に聞いてみるか」って感じでご利用いただくのもOKです。お気軽にご相談ください。



確かに。弁護士に無料相談ができるのは、札幌弁護士会の管轄エリア内だけですもんね。
北海道の他の地域や道外なら相談料5,000円を払うサービスですが、札幌エリアでは無料で受けられるとは。
そう考えると、私たちはいい街に住んでいますね。



他の弁護士会においても、相談内容や相談場所(地域)、時期によって無料で相談できる場合があると思います。
ただ、常時全面的に無料で相談を受けられるのは札幌弁護士会の管轄エリア内だけだと思います。ぜひ、ご利用ください。
編集後記
弁護士の先生というと、普通に生活しているとなかなか縁がありません。
法律相談センターとは無縁のほうがいいと思うかもしれないのですが、意外と落とし穴はあるもの。
遺産相続で、まさか3ヶ月間以上何もしていないと、自動的に親の借金まで引き継いでしまうとは。
インタビューを聞いていて、びっくりしてしまいました。
日本は法律で治められてる「法治国家」なので、「何かおかしいかも?」「これは困った!」という時点で、弁護士の先生に相談するのが良さそうです。
その点、札幌弁護士会のある札幌では、無料で受けられる法律相談センターがあるので、「本当に恵まれているな」と思いました。
ぜひ、何かあったら頼ってみてください。
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▼札幌弁護士会 法律相談センターのインターネット予約ページはこちらです。
【札幌弁護士会 札幌法律相談センター】
■運営時間:10:00~12:00
■定休日:土曜日、日曜日、祝日
■予約電話番号:011-251-7730
■住所:〒060-0001 北海道札幌市北1条西10丁目 札幌弁護士会館2F
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