「弁護士に法律相談をしたいけれど、5,000円くらいの相談料金を取られるのか…」
と尻込みしている札幌市民、および札幌周辺に住んでいるみなさん。実は、札幌エリアは無料で法律相談を受けられるってご存知でしたか?
なんと札幌弁護士会は、平成25年10月(2013年10月)から1回5,000円の有料相談を、全面的に無料相談に切り替えしたのです。
ただ、どうやって法律相談すればいいかわからないという方も多いと思います。
今回は特別に札幌弁護士会の弁護士さんに案内してもらい、法律相談する過程を写真付きで紹介してみました。
素晴らしいサービスなので、一人でも多くの方に届くと幸いです。
まずは知っておきたい!札幌弁護士会の無料法律相談の概要
札幌弁護会の法律相談は、以下のような生活に身近な法的トラブルについて、専門の弁護士がアドバイスをしてくれます。
- 離婚や相続などの家族問題
- 借金やローンの返済問題
- 雇用や労働条件に関するトラブル
- 交通事故や損害賠償の相談 など
相談は無料。時間は30〜45分程度(相談内容で変わります)です。離婚や相続、借金、労働、交通事故以外の相談は、一般相談として受け付けています。
刑事事件については別の窓口での対応となるケースもあるので、そこだけは注意してください。
相談の種類 | 時間 | 料金 |
---|---|---|
一般相談 | 30分以内 | 無料 |
相続・遺言相談 | 45分以内 | 無料 |
離婚相談 | 45分以内 | 無料 |
雇用トラブル相談(労働者側) | 30分以内 | 無料 |
多重債務相談 | 30分以内 | 無料 |
交通事故相談 | 30分以内 | 無料 |
交通事故 高次脳機能障害相談 | 75分以内 | 無料 |
北海道内にある相談センターの一覧

札幌弁護士会が運営する相談センターは、北海道内に9箇所あります。
その中で、一番大きいのが札幌市中央区にある相談センターです。
- 札幌市中央区:札幌法律相談センター
- 札幌市厚別区:新さっぽろ法律相談センター
- 小樽市:おたる法律相談センター
- 滝川市:中空知法律相談センター
- 岩見沢市:南空知法律相談センター
- 室蘭市:むろらん法律相談センター
- 苫小牧市:苫小牧法律相談センター
- 岩内町:しりべし弁護士相談センター
- 新ひだか町:ひだか弁護士相談センター
住んでいる地域に合わせて、近くのセンターを選び、気軽に相談できます。

北は中空知(滝川市)、南はむろらん(室蘭市)。東はひだか(新ひだか町)、西はしりべし(岩内町)までなので、地図で見ると広範囲ですね。
弁護士の先生に案内してもらった!法律相談センター見学ルポ


「弁護士に相談するって、どんな場所で?」「敷居が高そう…」
そんな不安を持っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、札幌弁護士会のご協力のもと、札幌法律相談センター(中央区)を実際に見学し、弁護士の先生に中を案内していただきました!
案内していただいたのは、こちらのお二人です。



林賢一弁護士 札幌弁護士会法律相談センター運営委員会 委員長



福田光宏弁護士 札幌弁護士会法律相談センター運営委員会 副委員長
実際に相談する流れに沿って、センターの中をぐるっと紹介していきます。
※ 撮影は2025年3月25日に行わせていただきました。
Step1:予約
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札幌法律相談センターは、予約制になっているので、事前に予約をしていきます。
予約の方法は2つです。
・電話
・インターネット(札幌弁護士会のホームページ)
電話予約できる時間は、運営時間内です。月~金曜日の10:00~12:00と13:00~16:00(祝休日、年末年始を除く)なので、電話予約をしたい方はこの時間内にかけてみてください。
インターネット予約は、札幌弁護士会の公式ホームページから予約可能です。こちらは札幌法律相談センターのみ(札幌市中央区)で、相談内容が一般相談・離婚相談・相続相談のみ予約できます。24時間の申込みをできるので、該当する方は、インターネット予約が便利です。申込後、法律相談センターから電話またはメールで連絡があり、確認が取れたら予約成立となります。



「ハロー弁護士相談」というサービスもあります。15分くらいの簡単な相談ですが、パッと電話で法律相談をされたい方は、「011-281-8686」にお電話ください。



予約の段階で、「こんなこと相談していいのかな?」と迷われるかもしれませんが、弁護士としては迷っている段階でこそ、相談してほしいと思っています。
大きなトラブルになる前に相談すれば対処できる選択肢が増えますので、ぜひご相談ください。
Step2:相談の準備をする
無料で法律相談できる時間は限られています。30〜45分以内で相談する必要があるので、事前にトラブルの経緯や質問内容を整理してメモに書いたり、関係のありそうな書類をすべて用意してください。
事前に準備をするほど、当日の法律相談がスムーズに進むそうです。
▼ 札幌弁護士会が推奨している事前の相談準備をまとめたページはこちらです。
Step3:法律相談センターに行く






予約をして、日時が決まったら、予約時間の10分前までに足を運びます。
札幌弁護士会の運営する法律相談センターは9ヶ所です。
- 札幌市中央区:札幌法律相談センター
- 札幌市厚別区:新さっぽろ法律相談センター
- 小樽市:おたる法律相談センター
- 滝川市:中空知法律相談センター
- 岩見沢市:南空知法律相談センター
- 室蘭市:むろらん法律相談センター
- 苫小牧市:苫小牧法律相談センター
- 岩内町:しりべし弁護士相談センター
- 新ひだか町:ひだか弁護士相談センター
今回案内をしていただいた札幌市中央区にある札幌法律相談センターは、札幌市の中心部の札幌弁護士会館のビルの中にあります。
札幌市営地下鉄西11丁目駅の4番出口から近く、徒歩3分くらいで行けるので、アクセスも非常にいいです。
Step4:相談票の記入


札幌法律相談センターは札幌弁護士会館の2階にあります。
足を踏み入れると、札幌法律相談センターは木材を使った壁や椅子、床があり、落ち着いて相談できる優しい雰囲気でした。


相談の流れとしては、受付で事前予約の確認が行われ、「相談票」という用紙に名前や住所などを記入します。
受付の職員の方が優しく対応してくれるので、初めてでも安心です。
Step5:待合スペース


記入が終わったら、すぐ隣の静かな待合スペースで呼ばれるのを待ちます。
何ヶ所かあったのですが、想像以上に広い空間でした。
観賞植物も置いてあり、法律相談前の不安な相談者の気持ちを和らげる工夫を感じます。
Step6:相談室へご案内


相談室はいくつもあり、受付カードに記載されている番号が呼ばれたら、入っていく仕組みになっています。
今回はいくつかの相談室を休憩時間中に撮影させていただきました。
Step7:相談室で相談


相談室に入ったら、弁護士と相談です。
今回見学させてもらった相談室は、完全な個室になっており、他の相談者と顔を合わせることもありません。
防音対策もバッチリで、広さも十分あります。
室内にはテーブルと椅子があり、机の上には資料も用意されていました。
アクリル板を挟んで、先生と向かい合って座り、じっくり話ができるようになっています。
この時に役立つのが、トラブルの経緯や希望する結果をあらかじめメモしておくことだそうです。
弁護士としても、最初に整理された情報があると、より的確なアドバイスがしやすくなるとのことでした。



法律相談は、相談者の抱えているお悩みに法律的な観点からアドバイスするのが、私たちの仕事ですね。



相談の内容はさまざまです。
たとえば、離婚の相談といっても、「これから離婚をどう進めたらいいですか?」というスタート段階のものから、「調停や裁判の途中なので、どうすればいいでしょうか?」という相談まであります。



なるほど、最初の段階から相談される方もいるんですね。
安心しました。


卓上には弁護士が参考にできるように、最新版の『模範六法』が置かれていました。



重厚感ある背表紙の六法があると、法律相談センターに来ているんだなという雰囲気を感じました。
心なしか背筋がピンと伸びますね!
Step8:相談後の流れも確認


相談後は、4つのパターンに分かれるそうです。
- 終了 (相談のみで解決)
- 別の弁護士に無料相談 (同じ内容の相談は、違う弁護士に3回まで相談可能)
- 同じ弁護士継続相談 (続きの相談を担当弁護士に対して行う。継続相談の場所は、担当弁護士の事務所に移行)
- 弁護士に依頼(実際に弁護士に事件処理を依頼)
札幌弁護士会の先生曰く、「相談だけで解決の方向性が見えた」という方も多く、相談だけで終わるケースも少なくないそうです。
引き続き相談したいは2パターンあります。1回目だけで終了しない場合、別の弁護士に再相談の予約を入れることもできます。(無料)
担当弁護士に再び相談をしたい場合は、「継続相談申込書」に記入してセンターの受付に提出して、後日、その弁護士の事務所で続きの相談をすることも可能です。(同じ担当弁護士に依頼する場合、有料の可能性あり)
相談だけでは解決できず、事件処理を依頼するかどうかを判断するステップに進むこともあります。(この場合、依頼の費用が発生)



多くの場合は、「アドバイスのみ」で終わることが多いです。
「こういう選択肢がありますよ」「こうした方がいいですよ」といった説明をして、その時点では相談のみで終了というケースも多いですね。



センターでの無料相談と違って、弁護士事務所での継続相談は有料になることもあります。そこは弁護士ごとに方針が違うので、無料で継続する弁護士もいれば、有料の弁護士もいます。



なるほど、いくつものパターンがあるんですね。
今度困ったら、無料の法律相談を頼ってみようと思います。
林弁護士、福田弁護士、案内をしていただき、ありがとうございました!
▼ 札幌弁護士会へインタビューした記事はこちらです。知っておくと法律トラブルを避けられるかもしれないお話をうかがってきました。


最後に 見学を終えて
今回、お二人の弁護士に札幌法律相談センターを案内してもらい、「想像以上に入りやすく、落ち着いた空間」だということを実感しました。
初めての方でも安心して利用できるよう、プライバシーの配慮や丁寧な案内が行き届いているのが印象的です。
弁護士に相談するというと緊張しがちですが、ここではそのハードルをできるだけ低くして、「まずは話してみよう」と思える環境が整えられています。
最後まで無料で相談できるケースもよくあるそうなので、「敷居が高そう」と思わずに足を運んでみると、さまざまな法律の悩みが晴れるかもしれません。
また、今回の記事は札幌市中央区にある札幌法律相談センターでしたが、無料で相談できる法律相談センターは、新札幌・小樽・滝川・岩見沢・室蘭・苫小牧・岩内・新ひだか町など、道内各地に相談センターがあります。
年間を通じて誰でも無料で法律相談ができるのは、全国でも札幌弁護士会の管内だけだそうです。
ぜひ、無料法律相談の対象エリアに住んでいる方は、頼ってみてください。
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▼札幌弁護士会 法律相談センターのインターネット予約ページはこちらです。
【札幌弁護士会 札幌法律相談センター】
■予約受付時間:月~金曜日10:00~12:00、13:00~16:00(祝休日、年末年始を除く)
■予約電話番号:011-251-7730
■住所:〒060-0001 北海道札幌市北1条西10丁目 札幌弁護士会館2F
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