動物専門員さんの話を聞いて、レッサーパンダーがここまで円山動物園で推される理由が少しわかった気がしました。
さて、2023年2月4日(土)〜11日(土)まで、スノーフェスティバル2023が開かれています。
そこで行われている「動物専門員スペシャルトーク」
初日の10〜11時に参加したのですが、レッサーパンダの回が非常に面白かったです。
他の動物専門員さんが話していたのは、「オオカミやウサギの生態」など硬い話もあります。
でもレッサーパンダの飼育係である大野さんが話された内容は、「円山動物園のレッサーパンダの可愛い魅力」でした。
レッサーパンダは円山動物園の顔で、パンフレットなどの広報素材でも写真がよく使われているのですが、使いたくなる魅力が伝わってきたのです。
その内容をまとめてみたので、円山動物園のレッサーパンダが気になる人は読んでみてください。
円山動物園にレッサーパンダの小百合がやってきた
最初に話してくれたのが、円山動物園の新顔レッサーパンダの小百合です。
2022年11月2日。札幌市円山動物園に新しいレッサーパンダの小百合がやってきました。
どこからきたのかというと、秋田市県秋田市の大森山動物園です。
円山動物園のレッサーパンダたちが比較的高齢になっているため、新しい個体を入れたのだとか。(ここはちょっと定かではありません)
小百合がどうやって引っ越してきたのかというと、自動車にケージを乗せて運ばれてきました。
ええ、レッサーパンダですが、見た目は犬の移動と変わりません。
陸路と空路含めて4〜5時間で到着しました。
円山動物園には小百合が来る前は3匹のレッサーパンダがいました。
レッサーパンダはパンダですから、笹を食べます。
でも、円山動物園のレッサーパンダは好きじゃないのか、笹をほぼ食べないそうです。
けど、秋田市大森山動物園からきたさゆりは笹を食べます。
それを見て、飼育係の大野さんは「レッサーパンダも笹を食べるんだ」と思ったそうです。
小百合は笹をよく食べると言いましたが、それは1日も4回くらいにのぼります。
笹を元気に食べてくれる新顔レッサーパンダの小百合。
しかし、担当している大野さんにも悩みがあるそうです。それはエサを上げようとすると、さゆりが飛びかかってくること。
新しい環境になって間もないので、なかなかまだ慣れてくれないのでしょう。
いつ心を開いてくれるのでしょうか?
大森山動物園では母親と一緒に暮らしていたので、円山動物園ではまだ慣れていないのかもしれません。
そのうち他のレッサーパンダとも暮らすかもと言っていました。でも予定は未定だそうです。
円山動物園のレッサーパンダで一番体重が重いのは?
さゆりも来たばかりで話すことは他にもないとのこと。
続いて、お客さんがいなくなった後の円山動物園のレッサーパンダ写真を紹介してくれました。
円山動物園のレッサーパンダは誰が一番重いのでしょうか?
円山動物園にはセイタ♂、ココ♀、エイタ♂、小百合♀の4匹がいます。
この中だと、オスのセイタ、エイタが一番大きくて、身体が大きそうです。
しかし答えは、小百合です。4キロ台後半だった体重も半年近くで6.8に2キロ増量。
今では円山動物園で一番大きいレッサーパンダになっています。
他のレッサーパンダは高齢なせいもあるのか、歳をとるとなかなか体重が増えないそうです。
大野さんはいかにしてエサをを食べさせる工夫をしているかという悩みを語ってくれてました。
レッサーパンダをおとなしくさせる秘密のエサ
さて、エサを見ると飼育係の人に飛びかかってくるという裏話を披露された円山動物園のヤンチャなレッサーパンダ。
しかし、レッサーパンダを大人しくさせる方法が1つあるそうです。
それはリンゴをあげること。不思議なことにリンゴさえあげれば、ずっとおとなしくしてくれるそうです。飼育する方としてはリンゴがあると非常に楽だと言ってました。
こちらの写真は手前が昼のエサで、夜のエサです。大野さんのこだわりは、「いろんなえさを食べさせてあげたい」ということ。
レッサーパンダに普段食べ慣れていないものをあげても、なかなか食べてくれません。
だからいろいろと工夫をしてあげるのだそうです。
ニンジンやさつまいも、ゆで卵をあげることも。
レッサーパンダは歳をとると歯が弱くなります。
エイタも臼歯(きゅうし)がなくなってるので、笹を食べなくなっているそう。
大野さんは食べさせるために笹ををむしってすりつぶしています。エイタのためにエサやりの時間がかかって苦労してることをなげいてました(笑)
円山動物園でレッサーパンダを飼育する人の本音。「レッサーパンダは可愛いすぎる」
だいたいここまでが20分間くらいのトークです。まだ続きがあったのですが、この辺りにしておきます。
大野さんの話を聞いているうちに伝わってきたのが、「レッサーパンダは可愛い」という気持ちです。
スライドで飼育している最中に撮った写真を見せながらこういうのです。
「こんなこと言うと上司に怒られるかもしれませんが、レッサーパンダは非常に可愛いんです」
スマートフォンでエサをあげている時に撮ったレッサーパンダを紹介されるのですが、本当にレッサーパンダは写真写りがいいです。
レッサーパンダのエイタはエサを食べたくて、朝になると顔を網に押し付けると言います。
これを毎朝やるのだから、いい意味でたまったもんじゃありません。
飼育する人間としても、可愛いなと思ってエサをやってるそうです。その話はすごく話してて楽しそうでした。
動物園には、「種の保存」、「教育・環境教育」、「調査・研究」、「レクリエーション」とい う4つの役割があるとされている
種の保存における動物園の役割
動物園で動物を飼育する人は、このようなミッションがあるため、動物園は家でペットを飼育するのとは役割が違います。
だから、「(飼育する人間が)レッサーパンダを可愛いと言うと、上司から怒られるかも」という言葉が飛び出したんだと思いました。でも、飼育される人も愛情が芽生えるんだなと思わされます。
編集後記 レッサーパンダが円山動物園で推される理由
円山動物園では、レッサーパンダは動物園の顔です。
パンフレットや入口の写真にもピックアップされていることから、円山動物園が強く推していることがわかります。
しかし、ネット上で検索される円山動物園の動物では、レッサーパンダが6位です。
この地域ブログ、まるっと円山を運営している二人も、「なぜレッサーパンダをここまで推すのだろう?」と不思議でした。
でも、スペシャルトークショーを聴いて、レッサーパンダの展示場まで行くと、たしかにレッサーパンダが愛くるしいのです。
これは円山動物園で直接見ないと伝わらないのかもしれません。
その代わり、レッサーパンダを見れば一発で伝わります。
だから円山動物園はここまでレッサーパンダを推しているのでしょう。
謎が解ける愛あふれる素敵なスペシャルトークショーでした。
円山動物園では、飼育係の人が解説するプログラムがあります。展示場の動物を深く観察できる魅力があるので、こういうプログラムは積極的に参加すると面白い。
そう強く感じました。
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